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コーランを知っていますか
コーランを知っていますか
コーランを知っていますか
阿刀田 高

しょんぼり これまでに同じ作者の「旧約聖書を知っていますか」「新約聖書を知っていますか」を読んでいるが、今回の本はそれらに比べるとまるで面白くない。過去のシリーズ作品(他に「ギリシア神話を知っていますか」「ホメロスを楽しむために」「シェイクスピアを楽しむために」「アラビアンナイトを楽しむために」などがある)と今回の本を比べると、今回は原典をそのまま何の工夫もせずに丸ごと引用している箇所が多すぎる。原典を阿刀田流に噛み砕き、感想を述べたり、再解釈して読者に提示するというのがこれまでのスタイルだったのに、今回は「引用」「解説」「引用」「解説」ばかりで、著者の個人的な見解や解釈があまりにも少ないのだ。またかろうじて個人的見解を述べている場面でも、その声はあまりにも小さくおどおどしている。

 この本のもととなった原稿は、小説新潮の2002年9月号から翌6月号まで連載されていたものだ。この時期にコーランの解説をするというのは、もちろん2001年9月11日の同時多発テロで、イスラム原理主義が注目を浴びたことを受けてのものだろう。その結果、著者は「日本人にあまり知られていないコーランを正しく紹介しなければ」と思ったに違いない。しかし正しく紹介するのは、原文の中から一部を抜粋して、そのまま引用することなのか? いくらコーランが本来的には翻訳すら許されない神の言葉の記録だとしても、イスラム教徒ではない日本人の小説家が、同じくイスラム教徒ではない日本人読者にコーランを紹介する際、ここまで馬鹿丁寧に原典を重視しなくてはならないのか?

 結局この本は、コーランの解説書でもなく、イスラムの解説書でもない、どっちつかずの中途半端なものになってしまっているのではないだろうか。コーランの引用を全編に散りばめつつ、ごく一般的に売られている「イスラム教入門」の知識を水で薄めて地の文にまぶし、阿刀田高風の文体でまとめたのがこの本だろう。この本でもっとも面白いのは、マホメット死後のイスラム共同体分裂を解説した9章「君去りし後」と、著者のサウジアラビア訪問記である10章「聖典の故里を訪ねて」だ。このふたつの章には、コーランの生の引用がほとんど含まれていない。(11/22)
| 歴史・社会 | 11:28 | comments(0) | trackbacks(0) |
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