誇りと偏見―私の道徳学習ノート
佐藤 忠男
人間が「誇り」や「自尊心」を持つのはいいことだが、それは得てして「傲慢」なものになってしまう。映画評論家の佐藤忠男が、自分自身の戦争体験、戦後体験、映画体験などを通じて、人間の自尊心やセルフイメージの問題を問う本。特に何らかの結果や提言があるわけではなく、著者自身が自問自答していく姿が描写されている。考えるためのヒントを数多く与えてくれるが、性急に結論を求めたい人には物足りない本だろう。映画評論としては、黒澤明論、チャップリン論、北野武論、小津安二郎論などが見どころか。著者インタビューをする予定なので、そこで何か面白い話を聞ければ追記することにする。(8/9)